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12月議会終わりました






一般質問
                       まさき一子
 日本共産党議員団の真崎一子です。今回は、ヒブワクチン助成制度一点に絞っての質問を行ないます。
 私は今年5月,街頭宣伝で子どもの医療費のことを訴えていると、若いお母さんから「ヒブワクチンの予防接種をしたいけど、4回で3万円もかかるからとても無理なんです。議会で取り上げてもらってなんとか補助制度をつくってほしい」と懇願されました。私はそれまでヒブワクチンと言うのは名前くらいしか知りませんでした。それから情報を得ることで、子どもにとって非情に怖い病気であることがわかりました。議員になったら必ず議会に届けたいと思い、今回質問にとりあげました。

 乳幼児の細菌性髄膜炎の主な細菌は、ヒブと肺炎球菌です。年間1000人の子どもが感染しています。その中でも6割はヒブという細菌が原因になっています。ヒブ菌は咳、くしゃみなどで鼻やのどを通じて体内に入り、髄膜炎や敗血症など重篤な感染症を引き起こす細菌です。患者の年齢は生後4ヶ月〜1歳代で70%以上を占め、5歳以上はヒブ菌に対する抵抗力が作られ、発病はまれになります。
細菌性髄膜炎は5%が死亡しています。また20〜30%にてんかん、難聴、発育障害などの後遺症を残します。
ヒブワクチンは、世界で1億5千万人以上の子どもが接種して、大きな問題も起こしていない,ためされ済みのワクチンです。そしてワクチンの効果は驚異的です。1990年からアメリカで接種が開始されました。ある製薬会社の調べでは、1980年に1万5千人いたアメリカの髄膜炎患者は1995年には86人に、500人いた髄膜炎による死亡者は5人に激減しました。
 1998年からWHOの「どんなに貧しい国でも国の定期接種にして子どもを守るように」の勧告を踏まえて、世界110カ国以上で実施されています。定期接種を組み込んでいる国では発症率が大幅に減少しています。しかし東アジアでは北朝鮮と日本だけは今だに任意接種となっています。
世界では常識となっているヒブワクチン接種を早く日本でもできるようにしてほしい、それもお金の心配しないですむ定期接種で・・という患者家族の願いから「細菌性髄膜炎から子どもを守る会」が昨年発足しました。今年10月27日に会代表が厚生労働省に「ヒブワクチンを予防接種法による定期接種対象疾患に位置づけること」の要望書を提出しました。
11月25日の衆議院厚生労働委員会で、日本共産党の高橋千鶴子議員がヒブワクチンの公費による定期接種化を求めました。厚生労働省は「推奨していきたいという基本的な方針だ。次期国会に提出する予防接種法の改定案の中で検討していきたい」との答弁でした。
 子どもが1歳4ヶ月で細菌性髄膜炎に感染したお母さんの手記です。「はじめは風邪から始まったのですが、ヒブ菌が体に入ったらしく、病院に連れて行くとすぐに入院となりました。そこで化膿性髄膜炎であることが聞かされ、どうしてもっと早く気が付いてあげられなかったのか後悔し、泣き崩れたのを今でも鮮明に覚えています。
 それからつらい治療を開始。入院して4日後に大脳動脈の脳梗塞を起こしていることがわかり、このままでは命が危ないと国立小児医療センターのICUへ転院。命は取り留めたものの、そこには生まれたばかりの赤ちゃんのようになったわが子がいました。右脳には全体の脳の約3分の1にもわたるダメージが残り、首も据わらず、座ることも出来ない、呼びかけても無反応・・そんな状態がしばらく続きました。しかしリハビリに励み現在3歳5ヶ月で歩けるまでに回復。ただ後遺症は残りました。左片麻痺、右耳の難聴、てんかん、発育の遅れです。こんな怖い病気を予防する手立てがあったらなら。今はこんなにつらい思いをする家族がこれ以上増えないように、できるだけ早くワクチンの接種が行なえるように望むばかりです。どうか一日も早いワクチンの接種を可能にしてください」
というものでした。こんなお母さんの思いを受け止めてください。まだ日本では子どもを襲うこんなに危険な病気があることや予防接 種があることすら知られていません。細菌性髄膜炎は、症状が重症化するだけでなく、発熱以外に特別な症状が見られないことが多く早期診断が難しく手遅れになる恐れがあります。
尼崎市では情報提供としては、母子手帳とは別冊の「予防接種と子どもの健康2009年度版」で予防接種について記載されています。ヒブワクチンについては、「新たに認可された今後利用されるであろうワクチンです」と紹介されています。新ワクチンに対する、情報不足は不安の原因になります。細菌性髄膜炎は発症は少ないが重症化、後遺症がある重篤な疾患であること、任意であるが予防接種が可能であることなど、乳幼児検診の場でも提示する必要があると考えます。乳幼児をもつ若いお母さん方への周知徹底が必要です。

質問します
細菌性髄膜炎とヒブワクチンについて、乳幼児がいる世帯へ周知徹底が必要だと思いますが、市としてはどのようにお考えでしょうか。

答弁
ヒブワクチンの予防接種は、現在任意接種として実施されておりますが、その周知につきましたは、妊婦の方に母子手帳を交付する際に、予防接種の種類や接種時期など記載した「予防接種と子どもの健康」という小冊子もあわせて配布することのより行なっているところです。
 ヒブワクチンの現状としましては、現在のところワクチンの供給量が少なく、接種医療機関も市内で40程度しかないため、予約待ちの状況もあるやに聞いております。
 ヒブワクチンも含め、予防接種に関する情報につきましたは、乳幼児健診などの機会も捉え、今後も周知に努めてまいりたいと考えております。
 

 日本ではワクチンの承認が遅れ、昨年12月にワクチン接種が可能になったものの、任意接種であるため子育て世帯には大きな負担となっています。ワクチンは標準4回の接種が必要と言われています。しかし1回7000〜8000円、4回の接種で約3万円前後と自己負担が大きいことから、任意接種では受けられない子ども達が多くいます。
 すでに助成制度を実施している自治体が全国で40市町と広がっています。1回3000〜5000円を助成しています。となりの西宮市で市民団体から陳情が提出され、常任委員会で「子育て支援の一環として助成制度が必要だ」との意見が相次ぎ、今年9月17日の本会議で採択されました。三木市でも9月の議会で全会一致で採決され、一回3000円の助成が実現しています。同市議会では国に対しても「ワクチン接種は定期接種で行なってほしい」と意見書を出しています。
 尼崎市では市長の強い思いとして、特定検診、特定保健指導で生活習慣病の予防を行ない、医療費を軽減する取り組みがなされています。乳幼児の場合、病気の予防は予防接種しか手だてがありません。特定検診と同様にヒブワクチンの助成制度にも、取り組んで下さい。
 若い世帯は、安い賃金で働かされ生活が大変です。ヒブワクチンをしてあげたくても、重い負担です。制度化されたら受ける、という意見もあります。ワクチン供給量が少ないという問題もありますが、国が制度化するという意思を公表すれば薬品会社も必要なワクチンの供給はするはずです。

そこで質問します
細菌性髄膜炎から乳幼児を守るため、ヒブワクチンの定期接種に取り組むよう、国に求めていただきたいと思いますが、市の考えをお聞かせください。

答弁
 ヒブワクチンの定期接種につきましたは、11月26日の衆議院厚生労働委員会で、ワクチンの接種体制について「定期接種化に向けて検討をしている」と厚生労働大臣が答弁されており、また、ヒブワクチンの副反応や効果などについて「情報を収集している段階」であるとの説明があったこともあり、今後、国の動向を注視してまいりたいと考えております。


昨日、公明党さんの答弁でききましたが、あえてもう一度聞きます。

国の定期接種が創設するまでは、市独自での助成制度を求めますがいかがですか。また、この制度は必要だと思っておられますか

答弁
 ヒブワクチンの予防接種に対する市独自の助成制度につきましたは、昨日もお答えしましたが、現在、任意接種であること、また、本市の厳しい財政状況を踏まえますと、困難であると考えております


これで、一回目の質問は終わります。


第2登壇
ご答弁、ありがとうございました。
国会での厚生労働省の答弁をふまえて、地方自治体や患者家族の会からなどいろいろなところから声をあげることが必要だと思います。
尼崎市が、財政が苦しいのは十分わかっています。そのことを踏まえて、もう一度質問させていただきます。

この制度は必要な制度と思いますか?

答弁
 ヒブワクチンに関しましては、世界的に有効性が認められておりますし、私どもの考えとして、当然必要と考えておりまして、国全体の定期接種化を私どもも希望しているところでございます


生後5ヶ月で細菌性髄膜炎になり、命は助かったものの、重い後遺症を残した、息子さんをもつお母さんの言葉です。

中略
「私達家族が心から幸せを感じる日は、もうないのかもしれないなどと、このときは本気で思っていました。
それでも、この子は命が助かって私の胸に帰ってきた。
数年がたち、いまだ、くびは据わらないし、座ることも、しゃべることも出来ない息子ですが、少しずつ成長も見え、哺乳できなかったけれどマグから経口で飲めるようになったり、ゆっくりでしたが笑顔を取り戻すことができたり・・
本当にゆっくりですが家族は歩みを始めています。
この病気が予防できると知った時、この事実をしっていて予防に努めない、日本の行政は殺人行為に等しいとすら思いました。
これ以上、この病気で命を落としたり、後遺症を残す子ども達を増やさないでください。お願いいたします。このようなことが繰り返されないことを願っております」とういものです。
子どもの命を、お金のあるなしで、また住んでいるところのちがいで、格差が生まれることがあってはならないと思っています。子どもは未来の尼崎の宝です。たしかに頻度は低い病気です。でも予防できるてだてがあるのなら、行政が子どもの命と、成長を守って行くことが必要なのではないでしょうか。
 尼崎市が掲げる、「安心安全のパラダイムシフト(対処から予防へ)」をいうのなら、ヒブワクチンの助成制度をつくってください心からお願いしまして、私の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。

 その後の、健康福祉委員会で、ヒブワクチンの定期接種を、国に意見書を提出しようと提案しましたが、継続審議となりました。引き続き頑張ります。

 今回は議会の初日にインフルエンザワクチンの付いての質疑もしました。次は2月の来年度の予算にかかわる定期議会があります。息が抜けない毎日を送っています。
 先輩議員はいつも意欲的にがんばっています。私もそれに続けと追いかける毎日です。昨日の市田書記局長を招いての決起集会で、また励まされました。
 

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