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一般質問その2「尼っこ健診結果について」
 次は《尼っこ健診結果について》です。尼崎市は日本で最初に子どもの「ヘルスアップ尼崎戦略」として、11歳・14歳を対象にした生活習慣病の健診を実施しました。この健診は未来を担う子どもの健康や食生活のあり方が問われる、意義ある「尼っこ健診」だと思います。尼崎市の2016年度「施策評価結果」にも、「尼っこ健診の結果、有所見率が上昇していること」を重大課題と位置づけ対応について検討しています。 
 その中に「『尼崎市学びと育ち研究所』を活用するなど、要因分析を行い、効果的な対策について検討を進めていく」とありました。この研究所はあまがさき・ひと咲プラザに設置され、すでに運営されており、今後の対策に期待するところです。

質問します。
学びと育ちの研究所では、具体的にどのように対応をしていこうとされていますか?その進捗状況をお示しください

答弁要旨
学びと育ち研究所は、本市における子どもたちの「学び」や「育ち」に関し、市が保有しているデータを活用するなど、科学的根拠に基づく、より効果の高い政策を実施することなどを目指し、今年度設置したものでございます。
 子どもを対象とした生活習慣病予防に関しましては、小児科医でもある、神奈川工科大学の岡田知雄教授を主席研究員に招き、本市職員と尼っこ健診データを用いた解析を進めており、医学的に問題となる本市児童・生徒の肥満症頻度や思春期と血圧変化の関係、低コレステロール値の子どもとその生活背景など、様々な課題に沿った研究が可能ではないかと、検討いただいているところでございます。 
 今後、中長期的に研究を進める中で、年度ごとの進捗状況につきまして、発表・報告の場を設けさせていただく予定でございます。(以上)


 尼っこ健診を始めた当初の生活習慣病の有所見率は2012年度41.5%、それが16年度63.0%まで上昇しています。今や40人のクラスなら約25人が生活習慣病ということです。
 これまで保健指導では、生活習慣病発症のメカニズムや、検査結果と食事や運動習慣の振り返り、野菜摂取の必要性など対象の児童生徒と保護者に指導してきました。しかし、2012年度は97%の実施率が16年度は79%と下降傾向にあります。子どもでもメタボリックシンドロームで、内臓脂肪がたまると血管に支障が出はじめます。脳出血や心筋梗塞などの病気の要因である動脈硬化に子どもでもなってしまうことがあるのです。
 他にも糖尿病や高血圧といった症状も子ども達の間で増えてきています。大人の病気であると考えられていた生活習慣病が子どもにまでしのび寄っているという恐ろしい現状です。

質問します。
 保健指導の実施率が下がったのはどうしてですか?またこの保健指導は、有所見のハイリスク者にはどうされているのでしょうか?

答弁要旨
 尼っこ健診につきましては、健診結果をもとに、親子いっしょに自らの生活習慣を振り返り、望ましい生活習慣を早期から獲得するため、可能なかぎり全員に保健指導を受けてもらえるよう実施してまいりました。
 おたずねの保健指導実施率につきましては、平成27年度までは、おおむね90%台で推移しておりましたが、平成28年度につきましては、ご指摘のとおり79%となっており、保健指導未実施者に対するフォロー体制の課題もあり、1096程度下がっております。
 しかしながら、平成28年度のハイリスク者に対する保健指導実施率につきましては88%となっております。また、ハイリスク者に対する保健指導につきましては、担当課による個別指導とともに、教育委員会で実施している小児肥満対策の対象者には、保護者の同意を得て、健診結果に基づく指導内容を学校へ情報提供し、継続的支援に努めております。
 今後は、受診率の向上とともに、あらためて保健指導の目的を踏まえ、重症者かどうかにかかわらず、粘り強くフォローを行い、保健指導実施率の向上に努めてまいります。以上

 2016年度の結果で、糖尿病予備軍が高いのに驚きました。12年には16.5%だったのが、16年には40%に。糖尿病予備軍は肥満との関連は少なく、子どもの場合は特に痩せていても数値が高くなります。だからこそ知らない間に体がむしばまれていく、気が付いた時には血管がボロボロ、糖尿病性網膜症や腎疾患を患っているという、極めて怖い病気です。
 私は今回、病院の特定健診で保健指導を行っている、管理栄養士さんに話を伺いました。発達が著しい子どもの場合は、生活習慣病に限らず、朝食をしっかりとることが必要です。脳や筋肉の動きを活発にします。朝食べることで血糖の上昇が抑えられます。朝と昼食をしっかり取り活動のエネルギーを補給します。夕食はカロリーを取りすぎると太りやすくなります。要は規則正しい食事と適度な運動と生活です。管理栄養士は、生活様式のどこが問題か、何を改善したらいいのか、実行可能なことを一緒に考えます。
 私はこれまでも、栄養教育のプロである管理栄養士の資格をもつ栄養教諭に個別指導を担う役割をつけてほしいと要望しました。教育長は「栄養教諭は学校給食に関する業務、栄養や食事の取り方などの食に関する指導を行っている。肥満などの有所見がある児童生徒に対しては、養護教諭を中心に必要な保健指導を行っている」と答弁されました。
 尼っこ健診の結果は、肥満がある児童生徒は親の了解を得て通知が学校へ来ます。小中学校の養護教諭は、子どもの福祉や健康にかかわることすべてを請負います。肥満の子どもに月1回体重測定をするのが精いっぱいであり、とても親を含めての生活指導はできないというのが現状です。
 栄養教諭による食育の授業はもちろんのこと、小中学生の有所見が肥満と高血圧や高脂血症、糖尿病予備軍等、2・3つと重なりがある重篤な子どもには、個別なかかわりを持って指導を行なってほしいと要望します。
 たしかに今の栄養教諭の役割は学校給食に係ることが主な役割としてきました。しかしこれからは生活習慣病予防のための、食育が大切になってきます。栄養教諭を増やしてでも、新たな任務・役割が必要です。
質問します
 学校教育の中で一層の食育のあり方が問われています。またリスクの高い子どもに対しては、食の専門家である栄養教諭の起用を検討するべきです。いかがですか?

答弁要旨
 栄養教諭は、食に関する指導と給食管理を一体のものとして行う教諭であり、学校における食育推進の中心的な役割を担っております。一方、養護教諭は、児童生徒の健康の保持増進を主な職務としております。
 生活習慣病の発症リスクの高い児童生徒に対しては、予防の観点からも個別の事情に応じた指導を行うことが、有効であると考えられます。この指導につきましては、養護教諭を中心に、学級担任と連携して、健康状態の観察に努め、食事や運動などの生活面において改善が必要な事項を指導しているところでありますが、食事面の指導は、栄養教諭が担っております。
 いずれにいたしましても、学級担任、養護教諭と栄養教諭が連携し、児童生徒の健康管理に努めてまいります。以上

 尼っこ健診の保健指導については、このままでの保健指導では子どもの生活習慣病の予防にはなっていません。学校教育現場でも食育がこれからますます必要になってくるでしょう。栄養教諭を増やしてでも、新たな役割が必要です。
 また健康増進課の部長さんが、大阪大学で学び市民の健康維持の指導に、リーダーシップを発揮していただくことに大いに期待しています。


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