よしむら議員と一緒に
終了直後に記念写真
反対討論 3月23日
おはようございます、真崎一子です。
日本共産党議員団を代表して、市長提出予算関連議案のうち、議案第1号 一般会計予算、同第2号 国民健康保険事業費予算、同第11号 介護保険事業費予算、同第12号 後期高齢者医療事業費予算、同第15号 競艇場事業費予算同第32号、41号、42号、50号、51号の5条例について、反対の討論を行ないます。
3年前に国民が政権交代の道を選んだのは、それまでの「構造改革」路線により、社会保障がけずられ、低賃金・非正規雇用の増で所得が増えないなかで「今の政治をなんとかしてほしい」という願いからでした。大企業は莫大な内部留保を溜め込み、99%デモに象徴されるように、一部の富裕層と多数の国民は格差が広がり貧しい人達が増えています。今「格差の是正」こそが求められています。
市長は、施政方針などで、「成熟社会」に対応するとして、「コンパクト」「信頼と分かち合い」「市民自治」のまちづくりを進めるといわれています。無駄をなくし効率的な市政運営を行うこと、市民との信頼をふかめ、住民自治を進めることは大切です。しかし、市長がいう「成熟社会」がまちづくりの頭につくと、その意味は違ってきます。
「成熟社会」論は、国の悪政、経済の舵取りの誤りによって、国民の所得が減らされ、「成長が止まった国」になってしまっていることを免罪(めんざい)し、市民にガマンを押しつけ、行政の責任を薄めるものです。
尼崎市はH20年度から5年間、行財政構造改革推進プランを行ってきました。その効果額は70億円です。
しかし、この間ことごとく市民サービスを削る行革を進めても、一向に収支不足を解消することができず、ますます苦しい市財政の状況が続いています。
尼崎市が他都市に比べて財政が厳しい要因に、過去の大規模な駅前再開発事業と公社による土地の先行取得による負債の償還が、今も市財政の大きな負担になっていることが明らかになりました。加えて、第3セクター方式の破綻による財政負担が、大きな課題となってきています。
結局、これら過去の大型開発、第3セクター方式の失敗を市民に押しつけることになります。過去の失敗を反省し、市長公約である、地域循環型の経済への転換を本腰をいれて進めるべきです。しかし、まだその具体的施策が見えません。
市長は、「市民自治のまちづくりをすすめる」として、「市民にしっかり伝えること」、「市民とともに考える」を重要な政治姿勢として表明されています。新年度予算案等がこの立場を貫いているのかどうかが問われました。
労働福祉会館および労働センターの廃止については、日本共産党議員団の意見表明で市の廃止理由に道理がないことを明らかにしました。
利用者などから、強い廃止反対の運動が続いています。未だ、近隣住民や利用市民の納得が得られていません。
琴浦市営住宅跡地を「スーパー銭湯」に賃貸する問題については、地域住民や関連事業者の意向を全く考えない選定であり、関連事業者の死活問題であること、また、内風呂のない市民のくらしに大きく影響することが明らかになりました。
次に、市立幼稚園教育振興プログラムに見られるように、市立幼稚園を半減する重大な変更にもかかわらず、そのもっとも根本的なところがわからないような情報発信になっているのが、この間の特徴です。
9園廃止を知った、市民が立ち上がり、幼い子どもたちへの影響を 懸念して、一気に反対運動が広がりました。多数の「存続を求める陳情」が議会に寄せられました。文教委員会意見が出されたにもかかわらず、9園廃止を見直す姿勢にはなっていません。
それに、公立保育所を9園のみ残すという計画も、未だに市民の理解が得られている状況ではありません。
園田競馬のナイター実施については、住民の中で対立的感情が起こっています。それを取り除くためにも、アンケートを取ってほしいと住民自らが問題の解決方法を提案しているにもかかわらず、それを拒否する姿勢は、「市民とともに」との姿勢でないことを明確に示しています。住民の声を聞かずに、ナイターを強行することは、地元市としての責任が問われます。
次に、市民生活をどのように守るかの問題です。
今、尼崎市の市民生活がいかに厳しいかは、改めて言う必要がないほど、市長も議会も同じ認識でしょう。
市税条例の一部改正は、復興財源とはいえ、累進制に逆行する一律500円の増税、子ども手当と引き換えの年少扶養控除を廃止しようとするものです。人的控除の本質は、「一人ひとりの生存に必要最低限の生活費には税金をかけない」とするところにあります。税の本質をゆがめるやり方は、重大な問題であり、容認できません。
急ぐ必要のない県道園田西武庫線の財源は市債を充ててまで事業を推進し、三菱電機の敷地内施設の玉突き移転にまで、企業立地促進条例による不均一課税を適用するようです。庶民には増税する一方で大企業には減税するのは、許せません。
年金が下がり続けている高齢者にとって、大変厳しい予算になっています。
一つは、福祉医療制度の改悪で、1500人の高齢者の、医療費窓口負担が2割から3割へと、負担増になることは、容認できません。
二つ目は、高齢者の市バス敬老パスについての負担引き上げです。乗り控えを加速させ、高齢者の経済的負担増と移動の自由を奪う要因になるものであり、認めることはできません。
医療面でも生活面でも、高齢者にとって大変冷たい仕打ちではないでしょうか。
また、国民健康保険料、介護保険料、後期高齢者医療制度の負担が、負担能力を超えて高いために、滞納者が増え続けています。本来、市民生活をまもるべき社会保障であるにもかかわらず、その保険料などの負担が市民の暮らしそのものを押しつぶすものになっていることは大問題です。
このように、大変厳しい市民生活にもかかわらず、政府は社会保障と税の一体改革で、国民に税負担を押し付けようとしています。消費税増税は、今でも不景気で苦しんでいる市民や中小零細企業にとっては、耐え難い負担増です。
市長は政治姿勢として、消費税増税の容認が総括質疑の中ではっきりしました。10%への消費税増税が市民の暮らしと中小企業の経営を痛めつけ、地域経済を冷え込ませることは明らかです。消費税の根本問題は、高額所得者の税負担を軽くし、大企業などの利益には1円もかからない税金だということです。
中学校弁当についてです。これまで、食堂方式、弁当方式と実験的におこなってきましたが、ことごとく失敗に終わりました。小手先の改善では、もはや限界です。
自校方式の中学校給食を実施すべきと考えますが、学校給食法にもとづく中学校給食として、全生徒への弁当方式も考えかたの一つです。
子どもたちの健康と発育のためにも、食育のためにも、子育て世帯を尼崎に呼び込み、定住を促進するためにも、本格的に中学校給食の検討する予算をつけるべきです。
最後に
市財政が厳しい中、中国鞍山市への友好訪問は、正副議長で行くべきです。
以上、議案1号ほか9件の反対討論をおわります。