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本会議の初日、特定秘密保護法案に反対意見書提出を提案しました。
 特定秘密保護法案に反対する意見書を、市議会として政府に提出しようという提案をしました。残念ながら、否決されてしまいました。
 賛成は日本共産党議員団7名、緑にかけはし6名、新風グリーン4名でした。
 反対が、新政会10名、公明党9名、維新の会4名、無所属1名でした。17対24で否決されました(議長は裁決に加わらず)
 以下は田村議員の賛成討論です。

 「特定秘密の保護に関する法律案」に対する意見書の賛成討論
                  2013年12月3日 田村征雄
日本共産党議員団の田村征雄です。
「特定秘密の保護に関する法律案に対する意見」に賛成の討論を行います。
臨時国会の審議では、いわゆる秘密保護法案の危険性が次々と明らかになり、国民の反対の声が日に日に広がる中で、11月21日、日比谷野外音樂堂で行われた反対集会は1万人の人々であふれました。
しかし11月26日、自民、公明の与党と「修正」に合意したみんなの党で「特定秘密の保護に関する法律案」を衆院特別委員会で強行採決し、衆院本会議を通過させる暴挙が行われました。 
 この秘密保護法案は国民にほとんど知らされないまま突然国会に提出され、衆院特別委員会での質疑に対しては、担当大臣と他の大臣の答弁の食い違いが何度もあり、世論調査では、国民の圧倒的な多数は、今国会での成立は急ぐべきではないという結果が出ています。
また、衆院特別委員会の採決の前日、25日に福島県で開かれた地方公聴会では、与党の推薦を含め7人の公述人全員が法案に反対あるいは慎重審議を求めました。公聴会はやったというアリバイづくりのためで、国民の意見ははじめから聞く気もない、成立ありきという与党の異常な姿勢でした。
法案は、政府が「安全保障」に妨げがあると判断すれば、軍事、外交、スパイ防止、テロ対策など広範な行政情報を「特定秘密」と指定できる仕組みです。「安全保障」とさえいえば「秘密」の範囲はどこまでも広がる仕掛けで、審議の中では原発事故の情報や環太平洋連携協定(TPP)などの外交交渉さえ、「特定秘密」に指定される危険が明らかになりました。 
公聴会で福島弁護士会の槇副会長は「政府や企業にとって秘密でも、国民の生存に切実な情報は公開すべきだとし、政府や東電の事故対応を批判したうえで、法案の厳罰化による萎縮で原発情報の開示が妨げられる可能性がある」と指摘しています。
また「特定秘密」を取り扱う公務員は家族まで調査され、故意ではなく過失でも秘密を漏らせば厳罰です。国民もなにが秘密かわからないまま「秘密を漏らせ」と働きかけたとか「知ろうとした」とか疑いをかけられ、犯罪者にされる恐れがあります。実行しなくても、未遂や共謀、教唆、扇動したとみなして逮捕される危険があります。
 さらに、秘密保護法案の参議院での審議が始まり、新たな問題点も浮かび上がってきています。
 法案は、「行政機関の長」が勝手に指定した「特定秘密」について、他の行政機関などへの提供は「安全保障上必要がある場合」に限定し、立法権を担う国会や司法権を担う裁判所に対しては、「公益上の必要」があっても、提供をきびしく制限しています。
 法案には国会などに「特定秘密」を提供するのは、あくまでも「安全保障に著しい支障を及ぼすおそれがないと認めたとき」と明記されています。法案を担当している森雅子大臣は、外国から秘匿が求められたような「特定秘密」は提供しないと明言しました。行政府が国会に提供しない「秘密」を認めるなどというのは、国民主権の議会制民主主義をないがしろにするものです。
 「特定秘密」を国会に提供する場合も、委員会を議員以外の傍聴を認めない秘密会にし、「特定秘密」は非公開にすることが条件です。行政府が立法府の活動に一方的に制約を課すなど、国会を「国権の最高機関」と明記した憲法をふみにじるものです。
 憲法62条は、国会議員の国政調査権を保障し、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる、としています。ところが、政府が求める条件に従わなければ「特定秘密」を国会に提出しないというのはまさに本末転倒です。
 秘密会では、国会議員が「行政機関の長」から提供を受けた「特定秘密」を秘書や所属政党の役員に報告し、議論することもできなくなります。万が一、国会議員が「特定秘密」を漏洩(ろうえい)すれば、5年以下の重罰が科される恐れもあります。国会の国政調査活動が大きく損なわれ、立法権そのものが侵害されることは明らかです。
 これらは、それぞれの政党の地方議員が国会議員と連携し、調査活動を行う場合にも制限があることを示しています。
 衆院特別委員会での強行採決のあとも、廃案を求めて国会には多くの国民が詰めかけています。廃案を求める声は、労働者、市民、学者・研究者、弁護士、ジャーナリスト、演劇人など広範な国民に広がっています。ノーベル賞受賞者の益川敏英、白川英樹両氏を含む著名な31人の学者が、秘密保護法案の衆議院での強行採決を批判し廃案を求める声明を発表しました。
 「特定秘密保護法案に反対する学者の会」は11月28日、東京で記者会見を行い、300人(28日現在)を超える学者から賛同がよせられ、現在も増えつづけている」と報告しました。同会は、益川氏や白川氏のほか、哲学の内田樹(たつる)神戸女学院大学名誉教授、政治学の姜(かん)尚(さん)中(じゅん)聖学院大学全学教授、歴史学の加藤陽子東京大学教授など多彩な分野の学者からなります。
 声明は、成立を強行しようとする与党の姿勢を「思想の自由と報道の自由を奪って戦争へと突き進んだ戦前の政府をほうふつとさせる」と批判。「『秘密国家』・『軍事国家』への道を開く」法案に「学問と良識の名において」反対するとしています。
 また、司法の面では、秘密保護法で逮捕された国民は、何が秘密か知らされないまま逮捕され、裁判では、裁判官も弁護士も知り得た秘密の内容を漏洩すれば逮捕されるという、憲法の基本的人権がまもられる現在の裁判制度、司法のありかたからみれば無茶苦茶といってもいい内容であることが明らかにされました。
また、沖縄の米軍基地やオスプレイの飛行ルートなどの取材や原発の実態や原発事故の実態などの自由な取材が制限されることで、国民の知る権利が奪われます。
 だから、日本弁護士連合会・日弁連も自由法曹団も日本ジャーナリスト会議、日本新聞協会、外国特派員協会、日本ペンクラブ、著名なテレビキャスターなどが一斉に、秘密保護法案の廃案を求める意思表示を行い、国民に廃案にしようとよびかけています。
 全国でそして国会周辺で連日のようにくり広げられる反対運動で、「悪法を廃案にせよ」と叫んでいるまさにその時、自民党の石破幹事長がブログに「主義主張を実現したければ、民主主義に従って理解者を一人でも増やし、支持の輪を広げるべきなのであって、単なる絶叫戦術はテロ行為とその本質においてあまり変わらないように思われます。」と書き込んだことが明らかになりました。
 これに対する批判があがる中で「テロと本質的に変わらない」という部分を撤回し「本来あるべき民主主義の手法とは異なるように思う」に改めました。
 石破発言に対して「デモに参加している人は犯罪者、と聞こえる」あるいは「市民を威嚇している」と、参議院特別委員会で野党議員が批判しました。
今朝の毎日新聞では「政府がテロの定義を拡大解釈し、秘密保護の名目で憲法が保障する表現の自由を侵害しかねないとの疑念を招いたと報道しています。まさにその通りです。
審議中の参議院でも強行採決が繰り返されれば、それこそ国会の自殺行為になります。
この法案が、国民の知る権利と言論・表現の自由を奪い、日本国憲法の国民主権、基本的人権、平和主義など憲法の基本原理に反することが明らかになっています。
 参院本会議では、仁比聡平議員が「政治的立場は違っても、国民を代表し行政権力に迫ってこそ、国会議員ではないか」と訴え、党派を超えた大きな拍手が沸き起こりました。
国民の目、耳、口をもふさぎ、民主主義を委縮させる社会にしようという企てを許してなりません。国会内外の大きな力で希代の悪法を葬るべきです。
憲法の基本原理に反する悪法を制定しないよう求める意見を、この尼崎市議会から政府に突きつけていこうではありませんか。
以上、議員のみなさんのご賛同をお願いしまして賛成討論を終わります。

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